占い ミスター慶應コンテスト2008 山元浩平 - 矢上祭 「黎明」

さて、皆さんお待ちかね、矢上祭。

 

 

 

 

今回は気合いを入れて、3話に分けて書いていきます。

 

 

 

 

じゃあ早速第1話。

 

 

 

 

「黎明」

 

 

 

 

10月10日、

 

 

 

 

俺は深夜24時まで、上野でバイトをしていた。

 

 

 

 

というか、そんなつもりはさらさらなかったのだが、

 

 

 

 

気付いたら時計の針は、24時を指していた。

 

 

 

 

俺は焦って会社を出て、上野駅に着くまでの間に、ひろみ(ミスター慶應代表)に電話した。

 

 

 

 

そう、もちろん女装コンテストの件で。

 

 

 

 

というのも、俺はこの時まで、

 

 

 

 

翌日女装コンテストがあるにも関わらず、まだヅラしか用意してなかったのだ。

(ヅラを用意したのもこの日の夕方)

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

さすがはひろみ、

 

 

 

 

俺が相談を持ちかけると、二つ返事で、

 

 

 

 

休日返上で衣装を持って駆けつけてくれることになった。

 

 

 

 

かずえ(ミスター副代表)も衣裳を持ってきてくれるということで、

 

 

 

 

これでドタバタながらも、衣装に関しては一応は解決した。

 

 

 

 

そんな感じで、

 

 

 

 

俺は、漠然とした不安は感じつつも、終電の電車に体をねじ込み、

 

 

 

 

明日、というかもう今日になってしまった矢上祭のことを考え始めた。

 

 

 

 

 

考えれば考えるほど、明日(今日)までにやらなければいけないことが次から次へとでてくる。

 

 

 

 

 

やりたいこと、やらなければいけないことは、たくさんあるんだけど、

 

 

 

 

どう考えても時間がなくて、

 

 

 

 

俺は正直焦っていた。

 

 

 

 

 

でも焦ってばかりいてもしょうがない。

 

 

 

 

とにかく今は、できることを一つ一つやっていこう!!

 

 

 

 

そう決めた俺は、

 

 

 

 

家に着くと、

 

 

 

 

早速

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左足の毛を剃り始めた。

 

 

 20081013-1223839029.JPG

 

 

 

 

 

 

人はよく、 「夜明け前が一番暗い」 と言う。

 

 

 

 

これは、一般的に、

 

 

 

 

今は夜明け前だから一番暗いけど、次には明るい朝が来るよ 

 

 

 

 

というような励ましの意味で使われる。

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

何も見えない真っ暗闇の中にいる俺は、

 

 

 

 

この言葉の本当の意味を、まだ理解できてはいなかった。

 

 

 

 

明けない朝はないということを。

 

 

 

 

夜明け前が暗いから、朝がまぶしいくらい明るいということを。

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右足の毛を

剃り忘れているということを。 

 

 

つづく

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